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■作品紹介  1975-1985-1990-1995-2000-2005-2010-2015-   Arsnote Exhibition 2016 

■■アルスノート展 -形を奏でる記譜のすすめ-  (その2)

日時:2016年9月23日 ~ 10月31日(月)までです.
arnoGall 要予約:満席や休日などの閉店日がございます.お電話にてご確認の上,ご予約ください.
場所:ドイツレストラン  ツム・アインホルン  (Zum Einhorn)
      の店舗内がアートフォーラムの会場です.
 このフォーラムの名は,かつて,赤坂のドイツ文化会館(OAG)にあった頃から野田シェフが続けておられる店内展示です.

展示概要(会場配布資料)

Arsnote Lab.arsnote●展示作品は,主に“造形譜”(*formical score)からの実制作(performance)で,建築のファサードのような提案もあります.

arsnote今回のフォーラムでは,使用した“造形譜”を基にカッティングプロッターで加工した“折り型紙”を実費にてお譲りしています.
作品の下ごしらえをしたようなこれらの型紙は,折り曲げれば展示作品のように立体的になります.楽譜からの演奏同様に,ご自分の自由な解釈で,着彩を施し,曲げ方や重ね方などを工夫すると,もっと素晴らしい作品になるでしょう.

 

*Formical Score: Paper relief-21g.ai (c) Ken ISHIGAKI
*Formical Score: Paper relief-22Aa.ai (c) Ken ISHIGAKI

●造形譜とは
  造形譜とは,おおよその造形構成を記述した文書で,機械的精度を求める複製ではなく,楽譜の様に解釈としての表現を支える構成的記述です.共感する人々の手業や技術によって,心の趣くままに再現することを許容するのです.したがって,造形譜の公開は,本人を含め,とりあえず具現化するための共感者を得れば良いわけです.そしてその表現が社会に受け入れられ,次々と新しい解釈や協働を生み,共在の場を広く得たとしても,さしたる問題ではないでしょう.もちろん,自作自演といった手法を否定するものではありません.公開(release)をどの様に行うかは,造形作家(composer)の意向次第なのです.

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●造形譜の公開(release)
  もし著名な造形物の“造形譜”が公開されれば,複製ではなく,真似や模写とも言われずに好きな絵画を描いたり,ダビデ像や百済観音像を彫ることに挑戦できるわけです.素材を厳選し,かつての仏師以上の腕前を振るう実制作家(performer)が,登場するかもしれません.造形物は,音のようにすぐ消えてしまうこともなく,実制作を急ぐ必要もありません.やり直しができる素材もあります.生業とするのでなければ,生涯のんびりと作り続けることも可能です.建築ならば,構造や雨仕舞いを先ずしっかりと施工し,造形譜の解釈を議論しながら,内部の造作や家具を作り上げることも可能です.石造りの建物は,この典型です.
さて難題となるのは現役作家の姿勢です.造形譜を公開せず,自作自演を旨とし,独自の創作性を守りたい作品もあるでしょう.造形譜を公開し,秀逸な解釈と表現力を広く求めるような作風もあるはずです.作品の様々な享受の仕方があってこそ,芸術は活性化するものです.大量生産と一点主義だけで民主主義の文化が終わるとは思えません.「幸せは分け合うと増えるもの…」と言われます.“物”でない“事”を分かち合い,誰もが作る楽しみを取り戻すには,楽譜やレシピ―同様に造形譜と実制作への評価が必要なのです.
Arsnote Lab

Facade 16091
*Formical Score: Paper relief-21g+22Aa +
*Performance: Facade 16091
(c) 2016 Ken ISHIGAKI

●造形譜の抽象性(捨象性)について
  料理には,レシピーといった簡潔な抽象表現があります.もちろん開示されるレシピーは,楽譜同様に実に曖昧な表現であり,それで一流シェフと同じ料・理ができあがるとは思いません.とはいえ暗中模索の状態からは,かなり抜け出せます.実際に食し,その可能性を知るからこそ,このような抽象表現が再現の為に求められるのでしょう.
  造形表現には,建築,彫刻,絵画,素描,図面,3Dデータなど様々な形式とその表現方法があります.そしてその習得方法は,見よう見まねの学習から,専門知識の活用,解説困難な技能や才能による創造的洞察まで様々です.
  造形表現は,その場で消える楽音,食べ頃に食されていく料理とは異なり,いつまでも持続する表現です.それ故に,残念ながらレシピや楽譜のような客観的記述による再現性に価値を認める慣習がありません.また楽典のような文法的ルール(造形では“形典”)なども教科書的には定立されていないようです.
  しかし,幸か不幸か前世紀からの爆発的なICTの進歩と普及は,“視覚情報”の科学的基盤を構築しました.視覚情報システムは,写真の発明を遙かにしのぐ情報通信革命へと発展を遂げ,様々な素材を彫刻し塑像する3D-加工が可能となっています.つまり,見える情報から触れられる情報へと置き換わってきたのです.
  このあまりにも急激な変革が社会的に受け入れられるまでに,技術革新も含め1世紀近い年月を必要としました.35億年余の地球型進化の渦中にあることを思えば,人間の創造力など微々たるものです.しかし渦中の私たちにとっては,生涯の内での価値観の急変に慎重にならざるを得ないのです.迫り来るAIの増殖.これはかなり深刻な難題です.
  そんな大変革の最中に互換性のある表現となってきたのが,普及してきた3Dデータ(3DS,DXF,GTS,OBJ,STL等)です.まだ聞き慣れない方もいるでしょうが,2Dデータ(PDF,BMP,JPG,PNG等) を日々見ているように,いつの間にか誰もが3Dデータを扱うことになるでしょう.つまり,平面だけでなく立体物も,デバイス機器が概略のかたちを出力し,コミュニケーションを円滑化し,生活をも支えるようになるというわけです.もうお気づきとは思いますが “造形譜”を表すにも,この万能な3D-データが打って付けなのです.しかし,これらのデータを巡り,著作権(造形作家側)と著作隣接権(実制作者側)等の判別の必要性が生じています.そこで無視できないのが記譜という著作物の概念なのです.つまり,“造形譜”という概念の社会的な認知と的確な位置付けが必要なのです.

 それにしても,料理という表現は贅沢です.
どんなに美味しくとも残さずに食べてしまうのですから.

石 垣 健 (造形作家)

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■アルスノート (作品の制作プロセス)   

 カッティングプロッターも小型のものはずいぶん安価になってきている.また,ファブラボのような業態も増えているようだが,まだ立体的な作例は乏しいようだ.3D-プリンターに押され気味で,せっかくの持ち味も生かされずにいる.紙という素材は手軽であるから教材としては扱いやすい.また,平面素材を切る技術や設備は,レーザー切断機やウォータージェット切断などの工業化が進んでいる.つまり,紙で機械加工できれば大型の素材でも機械加工できる可能性がある.
 そんなわけで,言うのは簡単だが,具体的提案を試みるのは結構難しかった.今回はビルのファサードの造形譜を使い,外壁を兼ねた.ガラスの内側での造形を試みた.外装をガラス壁面にしたビルは,増加の一途だ.通りから眺めるとピカピカと何とも平らで冷たい.プレキャストコンクリートのように,量感があって重厚な外壁が恋しいこともあるが,1ピース数トンものコンクリートの塊をこの地震大国で高層階に吊り続けるのはリスクが高すぎる.いっそうのことビル全体をガラス箱入りのレリーフと考えて,気軽に内側を模様替えをしいく提案となった.

Arsnote Lab 使用した造形譜からの折型は,カッティングマシンを使えば無精な話だが配布はしやすい.もちろん,自分の手業で造形譜から丹念に切るのも味が出る.建築的スケールであっても,この程度の手加工はできるからだ.しかし,どんなスケールでも,仕事となれば納期とコストのかけ方が決め手となってしまう.一見機械加工的作風でも,こだわりのない気っ風の良さが感じられれば,気持ちが良いかもしれぬ.もっとも,大まかな構成ができてしまえば,部屋内から危険無く造作もできるわけだから,参加者を公募して造形譜の解釈を楽しむことも可能となる.
Facade 16090
*Formical Score: / Paper relief-22JB_GGo.ai (C)2016 Ken ISHIGAKI
*Performance: Facade 16090 (C) 2016 Ken ISHIGAKI

 
 

 これらの基本となったパターンは,未だ私が研究生の頃(1970年代)に作ったタイル壁画からのバリエーションだ.一枚の矩形から無駄を押さえて2種のエレメントを切り出し,4種のエレメントにして構成をしている.バブルになって無駄OKの乱造になり,こんな努力は無駄となった.さて,今度のオリンピックが終わればどうなるのだろう?勿論このデザインは,パターン化が露骨だ.だが,こんな工夫も密かに必要となるかもしれない.

陶器タイルの習作 (C) 1975 Ken ISHIGAKI

Arsnote Lab

  

右の写真のようにフロストガラスのようなぼかしが入ると,板材で囲われた部分の奥行きが消え,目ははっきりしない部分を補完して量感を想定する.立体的に見えるわけだが,そう見えるとなんとも紙で作っていることが薄っぺらく思えてしまう.厚みを見せないように奥行き方向に折り曲げてもみた.
 花びらは薄いが,存在感がある.つぼみが開花した空間には,独特の一体感が形成されるからだ.花弁のような三次曲面加工が無理なら,絵画的表現を加える方法もある.勿論,彫塑的な造形方法も加工しやすく軽量・不燃なら問題はない. こんなことをいろいろと考えられるのも,造形譜を基本構成としているからだ.この信頼が崩れれば,事は始まらない. 

Facade 16092
*Formical Score: Paper relief-22JB_GGo +
*Performance: Facade 16092 (c) 2016 Ken ISHIGAKI

facade Arsnote Lab

   
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 以下,現在更新中です.

 

 

   
   
 


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